『若松英輔エッセイ集 悲しみの秘義』をご紹介します。
5頁のエッセイが25編収められた珠玉のエッセイ集です。

 

「履歴書を書き進めているうちに私たちは、どの項目にも書き得ない出来事こそが人生を決定してきたことに気が付いていたはずだ」 p106

 

「悲しみの花は、けっして枯れない。それを潤すのは私たちの心を流れる涙だからだ。生きるとは、自らの心のなかに一輪の悲しみの花を育てることなのかもしれない」p126

 

奥様を亡くされたエッセーのところには、心濃やかな仕掛けがあります。