遺産なき母が唯一のものとして残しゆく「死」を子らは受け取れ   『花の原型』

 

中城ふみ子(1922年大正11年生 1954年昭和29年没)乳癌のため31歳で夭逝。

二十歳で結婚。一男二女をもうけたが、二十八歳のとき離婚。
その後は、次々と男を換え死ぬまで恋に生きた。

 

冬の皺よせゐる海よ今少し生きて己れの無惨を見んか  『乳房喪失』「冬の海」