生涯懶立身
騰々任天真
嚢中三升米
炉辺一束薪
誰問迷悟跡
何知名利塵
夜雨草庵裡
双脚等間伸

 

生涯、身を立つるに懶く
騰々 天真に任す
嚢中三升の米
炉辺、一束の薪
誰か問わん 迷悟の跡
何ぞ知らん 名利の塵
夜雨 草庵の裡
双脚 等間に伸ばす

 

【意訳】

嗚呼 真面目に生きたいものだ

頭陀袋には托鉢で頂戴した三升の米 暖をとるに足るだけの薪 何も不足はない

今や 迷いや悟りというものに拘ることもない

まして 俗世の名利など

今宵 この草庵に 雨がしとしと降っている

私は 両足を伸ばして 独りを楽しんでいる