終日望烟村

展転乞食之

日夕山路遠

烈風欲断髭

衲衣半如烟

木鉢古更奇

未厭飢寒苦

古来多如斯

 

 

終日 烟村を望み

展転 乞食し之く

日夕れて 山路遠く

烈風 髭を断たんと欲す

衲衣 なかば烟のごとく

木鉢 古びて さらに奇なり

いまだ厭わず 飢寒の苦を

古来 先人の多くはかくのごとし

 

 

托鉢を続ける日々。

歩けば帰りは遠くなる。

雨も風も、照りつける太陽も思うに任せない。

今じゃ、衣はぼろぼろ、木鉢は使い古して、へんな形になったわい。

だけれども、飢えも寒さも決して厭いはしない。

なぜなら、出家というものはこんなものだから。