頭を剃ることを浄髪といいます。僧堂では四九日、つまり、四と九のつく日に浄髪をするのが習わしです。

 

先日、新しく知り合った方から「頭はどのように剃るのですか」と無邪気に尋ねられました。「私はT字カミソリで剃ってますよ」と応えると、「痛くないのですか」と続けられました。思い返せば、大本山永平寺で修行を始めた頃、二枚刃のカミソリで剃り、血だらけになったこともありました。

 

物が溢れかえった現代では、とてもありがたいことに、カミソリにも様々な種類があります。複数刃、スムーサー、ピンポイントトリマー、電動、人間工学に基づいたクリップなど改良が加えられよりよい物が生み出されています。

 

実際、カミソリとの相性があるようで、私はジレットの5枚刃。

 

他社の物、ジレットの他の物でもいけません。カミソリを無くす度、目新しい物へと買い換えてきたのですが、数年前からジレットの5枚刃のみで、余所見はしておりません。

 

多くの情報のなかを上手に泳ぐことが求められる時代。何かを選び採るということは、その他すべてを選び捨てることになります。その覚悟が自分の逸品に出会うポイントなのかもしれませんね。