人生百に満たざるに 寒山
人生不満百 人生百に満たざるに
常懐千載憂 常に千載の憂いを懐く
自身病始可 自身病始めて可ゆれば
又為子孫愁 又た子孫の為に愁う
下視禾根下 下は禾根の下を視
上看桑樹頭 上は桑樹の頭を看る
秤槌落東海 秤槌東海に落ち
到底始如休 底に到って始めて休むことを知る
意訳
せいぜい生きて100年の人生なのに、悩んでばかりいる私
自分の病が寛解して清々したと思ったら、今は、子や孫のことで頭が痛い
キョロキョロと辺りを見渡して、自分がどこいるのかを確かめる
隣を横目で覗いて、自分と他人を比較する
あれこれと心を痛めるけれど、とどのつまりは、「なるようにしかならないのだ」と自分に言い聞かす