白木のお位牌にある頭三文字、「新帰元」は戒名ではありません。
お亡くなりになられた方、皆さんが「新帰元」です。
その意味するところは、「新しく元いた世界に帰る」です。
だから、亡くなったからといって、全てが消えて無くなるのではありません。
人間の命は、そんな安っぽいものではないのです。
どこか知らない遠い処に行くのではなく、懐かしい元の世界に帰っていく。
消えて無くならないから、供養すればそれが届くのです。
消えて無くならないからこそ、そこに想いを寄せることができるのです。
そんな世界観を共有したいと願います。
たらちねに よばれて 仮の客にきて
心残さず 帰るふるさと 沢庵禅師
両親に呼ばれてこの世に客としてやってきた。
今、死を迎えることは、元の懐かしい場所に帰るのだ。
尚、本位牌には「新帰元」は用いません。